【モンハン】「ひと狩りいこうぜ」はキャッチフレーズ界の神
モンハンシリーズは、ゲームの中身だけでなくプロモーションにも非常に力を入れています。
今回は、CMで誰もが聞いたことがあるであろうキャッチフレーズ「ひと狩りいこうぜ」が、いかに効果的にプロモーションに寄与できているか、をメインに語ろうと思います。あとプロモーション関連で他のお話も少し。
「ひと狩りいこうぜ」は、国民的ヒットを遂げた伝説の名作、「モンスターハンターポータブル2ndG」のプロモーションで初登場したキャッチフレーズです。
このたったひとフレーズ、たった8文字にどれだけの意味が込められているのかというと、まずは当然
・キャッチーである(人の心をつかむインパクトがある)
という点。「居酒屋にちょっくら飲みにいこうぜ」的なノリ(軽い表現)で、狩猟にいこうぜ!なんてとんでもない(重い)コトを言っちゃってるので、絶大なインパクトがあり、人の心をがっつり掴むことができます。そして
・気軽である
点。「居酒屋的なノリで狩猟!?」という、「重いイメージの言葉を軽く表現する」対比のインパクトで興味を引いたため、モンハンに対して「気軽」なイメージを持たせられます。
これは、一見敷居が高く見える作品を手に取ってもらうために重要です。さらに
・人を誘う言葉である
点。モンハンは複数人で協力しながら遊ぶゲームなので、「誰かを誘って遊んでもらう」ことが大事です。
当時、この言葉を使って仲間を誘った人がどれだけいたことでしょう。
これはユーザーから未来のユーザーへと伝染する言葉なのです。次は
・「ぜ」である
点。「ひと狩りいこうよ」でも「ひと狩りいきませんか」でもなく、「ひと狩りいこうぜ」なのです。
単純に「よ」とかより語感が強く、中高生にとって使いやすいフレーズです。
中高生をメインターゲットに据えていた今作にとって非常に重要でしょう。
ここまでをまとめると、
・重いイメージ/気軽なイメージの言葉の対比にインパクトがあり、印象に残る
・そのことで、重く大変なゲームに思えるモンハンに気軽なイメージが与えられる
・中高生風の口調で人を誘う言葉であり、ユーザーが仲間を誘うのに使える
ということになります。すげぇ……。
モンハンは初代の頃から、骨太なアクションゲームという核を持ちながらも「狩りしなくても、釣りしててもいい!各プレイヤーの与えたダメージ量で報酬に差が出たりしないので気軽!」という感じで、懐の深い設計を意識し、気軽に遊んでもらうことを大切にしていました。
このキャッチフレーズは、その思想を反映すると同時に、携帯機ならではの誘いやすさや、中高生というターゲットを撃ち抜くことまで意識したこの「ひと狩りいこうぜ」は、まさしく神がかっていたと言えるでしょう。
他にも、オトモアイルーの初登場も「2ndG」での出来事だったのですが、これがシングルプレイでも可愛い猫が支えてくれるということで大好評、敷居が高いイメージを払拭するのに大きく貢献しました。
さらに、ゲームとしては異例の「発売から半年でベスト版を発売し、さらに敷居を下げ世間の熱を途切れさせないようにする」といった施策や……ってこれ止まらなくなるやつやん。終了!