ANONYMOUS;CODE 感想(ネタバレあり)

ついに発売されましたね。「シュタインズ・ゲート」などと世界観を共有する科学アドベンチャーシリーズの最新作、「アノニマス・コード」。

完全クリアまでのネタバレを含むのでご注意ください。

 

この作品との出会い

今でも忘れません。2015年の、原作者志倉千代丸さんのツイキャスにて発表されたこの作品。

千代丸さんが「この作品で警鐘バンバン鳴らしまくってやろうと思ってるんですよ!!!!」みたいなことを言ってノリノリで発表されたアノニマス・コードは当時の自分にとって最高のワクワクを与えてくれるものでした。

 

シリーズの世界観を大きく拡張する、縦に世界が連なる概念「世界層」。

主人公の能力「セーブ&ロード」と「ゲームプレイヤーのことをキャラクターが認識しているメタ視点」。

シリーズの中でもかなり遠い未来に挑戦する、2036~38年の様々な問題を描くSF。

 

世界層の設定は、自分が普段うっすら疑問に感じていた「世界の中にある仮想世界の中にある仮想世界ってどんなんだろう」って疑問を具現化してくれたようにも感じました。

 

そして、主人公自身がセーブ&ロードの能力を有していて、プレイヤーとの意思疎通を図るのも素晴らしい。

しかもそれが物語終盤のどんでん返し要素ではなく、序盤から使う基本ギミックなのも凄い。

つまり、メタネタでプレイヤーを驚かせようと思ったら、単純に「プレイヤーを認識している」とか「主人公もセーブやロードができる」だけでは不可能で、もっと凄い何かを提示しなければならない。

この作品は「メタ」という概念に対して新しい境地を見せてくれるんじゃないか、そんな気がしていました。

 

そして、2015年から世界も僕自身も大きく変わった2022年、沢山のファンや開発チームの悲喜交々を乗り越えてついに本作は発売されました。

 

シナリオ面

実在する様々な科学、ITネタ、陰謀論や都市伝説の独自解釈が絶妙に絡み合ういつもの千代丸節は相変わらず最高でした。

過去シリーズからの設定やキャラクターの繋がりも素晴らしく、考察のしがいがあります。

 

しかし、いわゆる「個別ルート」が無いのは正直ヤバいと思います。

メインのシナリオと、終盤で分岐するトゥルーがあって合計プレイ時間は20時間程度でしょうか。

あれ、バンビルートは!?ノンノルートは!?ロザリオルートは!?クロスもオズのおっさんも掘り下げもっと欲しいよ????ウインドくんに至っては見せ場少ししかなかったよ?

てか「HOW'S IT GOING TO END?」はなんだったの?モモのARタトゥーは誰が仕込んだの?終盤のブラックナイト衛星とかアレシボメッセージの回収唐突じゃない?あと(ry

「考察の余地が残っている」というよりは「消化不良」の側面が大きいかなーって感じです。

 

これだけの期間をかけた大作ですから、40~50時間はあって当然だと思っていました。

ノーマルエンドをクリアした段階で「ここからが本番だな~頑張るぞ!!!!!」とか思っていたので正直ショックでした。

分岐を作るのが難しいなら、時系列は一本道のまま各キャラにフォーカスした話や全員で問題に立ち向かう話をやってほしかったです。

 

「世界層」設定は本作ではさほど活かしきれていなかった気もします。

縦に複数世界が連なっているからこその面白さが事前の予想を超えてこなかったというか。

「物語は“世界線”から“世界層”へ」とかプロモーションしてた割にはというか。

 

セーブ&ロードの活用法も、プロモーションや原作者ツイキャスで語られてた以上の驚きは無かったかも。

ツイキャスで時々語られてた他の色んな設定も回収されなかったの多いなぁ……。

 

基本的にはめちゃくちゃよくできてるんですよね。物語に一本筋は通っているし、2036~38年に想定される科学技術や事件、キャラクター、シナリオギミックも全部最高に魅力的。

今はこのディテールの素晴らしさを受け入れる余裕がないんです。多分何年もしたら今よりずっと好きになっています。

 

ゲームシステム面

まず、新システムのハッキングトリガー。

「ノベルゲームってほぼテキスト読んでるだけだからゲームじゃないよね」みたいな人にぜひやってほしい素晴らしいシステムです。

物語を読みながら「ここでセーブやロードした方がいいんじゃないか?」という意識がプレイヤーに生じます。

これはデジタルSFとして優れていると同時に、テキストADVにおいて緊張感や、

インタラクティビティ(ゲーム側とプレイヤー側のやり取りの双方向性)を感じさせる手法としても極めて優れています。

 

設定されたトリガー提示場面がユーザーの意識と噛み合わないこともある点は玉に瑕ですが、これこそアノコの醍醐味と言えます。

 

UIも面白いですね。テキストウィンドウなどがキャラクターのBMIで映している視界の一部という設定や、ARの設定がある場面でBMIをオフにするとAR表示も消えるのは面白い(反面、ARのこのギミックを上手く活かしたシーンはあまりなかったなという印象もあります)。

 

3人称視点のシーンでバックログが表示できませんでしたが、これはバックログBMIの機能であるため「誰かのBMI表示を映した状態じゃないとバックログも表示できないよ」ということなのでしょう。

不親切とも言えますが、設定に忠実で尖ってて面白いとも言えます。個人的には好きです。

 

マンガトリガーも、差分があることで「ループにより物語がどう変わったのか」を視覚的に表現できていて好きでした。

見せ場のアクション性を強調する仕組みでもあります。

 

本作に限らず、科学アドベンチャーシリーズはいつも新しいゲームシステム、表現を模索する挑戦的な姿勢が良いんですよね。

開発の困難さにも直結しますが、ぜひこれからも続けていただきたいです。

 

総評

総じて「とても良作だけど7年待ったほどではないかな~」くらいの感想でした。

 

プロモーションが「最高到達点」「集大成」みたいな言葉を使っていて、「科学アドベンチャーシリーズ最高傑作を作ってやるぜ!」くらいの意気込みを感じていたんですけど。

「良かったけど、集大成ってほどではなくない?」

みたいな。特別大きな不満もないけど、心から満足はできていないみたいな。

 

今後のシリーズについて&まとめ

カオスヘッドシュタインズゲート以降のシリーズには、色んな紆余曲折がありました。

 

シュタゲブームの影響もあり初動は売れたものの、シナリオ評価が芳しくなかったロボティクスノーツ(アニメや各媒体の補完シナリオも合わせるとめっちゃ良い作品ですけどね)。

初期のXbox専売、アニメの不発等によってシュタゲと同等のシナリオ評価を得ながらもファンを増やしきれなかったカオスチャイルド(ゲームには年齢制限もあり万人向けの作風でもないですが)。

アニメは一定の評価を得るも、小説やゲームが中途半端な状態で終わり、ゲームのパッチ配布が予告されるも手付かずのオカルティックナイン

 

「良い作品なのに惜しいんだよな~」ということが個人的に多い科学アドベンチャーシリーズ。

 

ただ、「惜しいな~」と思うことはあっても、「そもそも作品が面白くなかった」「魅力を感じなかった」みたいに感じる作品は1つもありませんでした。

シュタゲのアニメ再放送時のサプライズや、シュタゲゼロのアニメが原作以上の仕上がりになるなど、「すげー!」と思わされることもまだまだ多いシリーズです。

 

もちろんアノコ自体も、今後アニメ化や完全版、漫画などのメディアミックスで化ける可能性は大きく残されています。

 

科学アドベンチャーシリーズ、これからも大好きですし応援しています。

アノコそのものも大好きです。今はショックもあるけど、やっぱり大好きです。

 

開発陣の皆さん、7年間お疲れ様でした。過酷な試行錯誤の日々に心から敬意を表します。

色々ごちゃごちゃ言ってしまいました(本当にすみません)が、大きすぎた期待の反動があったというだけで、この作品は間違いなく既に傑作です。沢山のドキドキやワクワクや感動がありました。本当にありがとうございました。

 

そして、この感想を読んでくださった方もありがとうございました。

【モンハン】ライズのラスボス、その狙い

集会所クエストラスボスまで含めネタバレがございますのでご注意ください。

Fate/Grand Order」のメインシナリオ第一部や「モンハンワールド」のラスボスについても言及あり。

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今作の里(過去作で言う“村”)シナリオはいたってシンプルでした。

生まれ故郷たる里を守るために、多くの人々が「それぞれの役割」を全うする物語。

ハンターの出自が「里生まれ里育ち」というのが面白い点で、作品の舞台の外から雇われてきたことが多い過去作のハンターとは対照的です。

良い意味で田舎的な繋がりが深い人々の物語でした。

 

そして集会所シナリオ。

神龍イブシマキヒコと雷神龍ナルハタタヒメというつがいのモンスターが起こした災禍に立ち向かう物語。

ライズのタイトルロゴはやはりこの龍達を表現したものなのでしょう。

問題は、発売時点でのゲーム本編で彼らとの闘いが完結していないことです。

対となる存在である以上、あの二龍が合流したときこそが真の最終決戦となるはずで、今後のアップデートを待たねばなりません。

こうした形式は本流ハンティングアクションのモンハンでは初めてですね。

例えばワールドのラスボス、ゼノ・ジーヴァにも後に完全体となるムフェト・ジーヴァが登場しましたが、あくまでワールドの物語の本筋はゼノ・ジーヴァとの闘いできちんと完結しており、完結を今後のアップデートに委ねることはしませんでした。

対して、ライズは「パッケージゲームソフト」として考えると、「未完成品」とも言われかねない状態になっていると言えます。

 

しかし、アップデートによって「運営」していくタイトルが増えた昨今、パッケージゲームの物語も長期に渡って展開していく試みはもっとあっていいはずです。

以前僕はゼノ・ジーヴァについて、「ラスボス戦として感情移入できる要素が少ないが、その少なさにこそ『ワールド』の物語として大きな意味がある」という趣旨の記事を書きました。

【モンハン】ワールドのストーリーとラスボスについて - Setsuna Kawaii

 

そしてイブシマキヒコ/ナルハタタヒメには、ワールドと逆の狙いがあるのではないかと考えます。

つまり、「徹底的に感情移入できるラスボス戦」を作りたいのではないでしょうか。

 

少し脱線にも見える話をしますがよければお付き合いください。

僕は、「分割商法」を効果的に活用した作品が好きです。

例えば「最初に物語のプロローグとなるゲームを発売し、のちに本編にあたるゲームを発売する」形式だった「METAL GEAR SOLID V」や「WHITE ALBUM2」。

それらの作品は、プロローグをプレイした後本編を待つ時間があることで、作品に対する想いが増大していき、いよいよ本編をプレイできるタイミングで興奮がピークに達する体験ができました。

 

もう少し分かりやすい例を挙げるなら、映画「シン・エヴァンゲリオン劇場版」では、シリーズ25年分の時の積み重ね(TVシリーズ+旧劇場版+新劇場版など)があったからこそ、ついに完結編を観賞できた喜びが増した方は多かったでしょう。

 

つまり、「完結まで待たされることで、その間に感情移入度が上がる体験」もアリだよね、ということです。

 

そして、「Fate/Grand Order(FGO)」の話も少し。

これもシナリオが「分割」されているスマートフォンゲームです(少しの分量のシナリオを矢継ぎ早に実装していくのではなく、膨大な分量を数ヶ月おきに実装するスタイル)。

最初から膨大なシナリオがあるパッケージゲームでは、「Aさんは1章をプレイしているが、Bさんは3章をプレイしている」というように、各プレイヤーの進行度合にばらつきが大きいです。

それに対しFGOでは、メインシナリオ更新のタイミングで多くの人が「物語の同じ章を同時にプレイしている」体験を共有できます。

「ほぼ皆が3章をプレイ中」みたいな状態が作れるわけです。

この作品がそれを最大限に活かしたのが、メインシナリオ第一部の最終章でした。

そこでは、普段は完全ソロで遊ぶ他シナリオと異なり、ボスをプレイヤー総出で迎え撃つレイド戦が行われました。

それにより、「皆が一斉に最終決戦に参加している一体感」を生み出すことに成功します。

 

こうした他ゲームの事例を踏まえると、モンハンライズがやろうとしていることは……

 

「ラスボスとの最終決戦をあえてアプデまで待たせることで、プレイヤーの感情移入度を上げる」

「多くのプレイヤーが本編をクリアしているであろうタイミングで最終決戦を実装することで、一斉にプレイできるようにする」

「一斉にプレイさせることで、皆が同時にラスボスに挑んでいる一体感を体験させる」

 

こうした試みなのではないでしょうか。

里の人々が一丸となって百竜夜行に立ち向かったように、我々ハンターも一丸となって、最後の試練に立ち向かえるなら。

それはきっと心躍る冒険になると思うのです。

今後のアップデートで新たなエンディングを実装予定だそうですが、おそらくそこで「開幕」するのだろうと期待しています。

 

以下余談です。

 

ひたすら快適ですね。ゲームプレイが。モンハンをやっていて「ここストレスたまるよな」とか「面倒だな」って思っていたものがほぼ全て解消されています。過去シリーズもストレス削減に尽力していましたが、ライズのストレスフリーっぷりはその比じゃないです。

快適すぎて過去作にはもう戻れません。過去作で「不親切なゲームでやだな」って思った方はチャンスです。

もはやゲーム史に残るスーパー大親切ゲームへと変貌してます。生きてて良かった。

もちろん「ホット/クーラードリンク廃止はさみしい」って気持ちも分かりますけどね!

 

あとヒノエ/ミノト姉妹とか、

本当はハンターだってバレバレなのに「なんかかわいそうだから」という理由で皆に商人扱いしてもらってるロンディーネさんとかキャラクターも魅力的。

主人公ハンターもよく喋りますし、ライズの少しアニメっぽいポップな味付け、とても素敵でした。

【モンハン】ハリウッド実写モンハン感想(ネタバレあり)

内容は典型的なB級怪獣映画でした。原作の知識がない人からすると「うん、まぁ」って感じの作品だと思います。

ただ、シリーズファンとして、「ワールドとアイスボーンの間に位置する正史」である以上「え、マジか…これ正史なのか…」っていう衝撃は大きかったです(良くも悪くも)。CGの質は高いし、こういう雰囲気の作品が好きな方は観て損はないかと。以下、感想箇条書きです。

ミラ・ジョヴォヴィッチ(役名“アルテミス”)さんとトニー・ジャー(役名“ハンター”)さんが今回メインキャラで相棒って感じなのですが、彼らのわちゃわちゃは可愛かった。チョコレート。

ディアブロスとかネルスキュラのくだり、それと人間同士の対立のくだりに尺割きすぎかな

・ところどころ、描写が生々しすぎてグロテスクだったので(ネルスキュラ関連とかディアブロスの目が毒に侵されるあたりとか)、これはモンハンに求めるものではないなぁ。ゲームでの「フルフルにケルビが呑まれる生態ムービー」とかよりエグい。

・現代の銃火器がモンスター達には全然通用しない。これ見たあとだと、70年代の銃火器でレウスやティガを倒してたビッグボスってやっぱ20世紀最強なんだなって……。

・CGの質は物凄く高い。撃龍船の緻密さは感動もの。ただその上で人間同士の肉弾戦が繰り広げられてるのはなんとも……。

・ワールドのキャラが多数出てきただけでだいぶエモかったんですけど、大団長がなんか波動みたいなの出してるのは笑った。さすがラージャン

・ワールドキャラ、解釈違いになる人は結構いそう。自分の知らない間に新大陸古龍調査団の仲間たちが人間を牢に入れてたとかマジか…(アルテミスは異世界の不安要因なので理解できないことはないけど)

・ホーミング生肉の愛称(?)でおなじみアプケロスがレウスに燃やされてたのは面白かった。バーニング生肉。

・世界観的には、「天廊」や「古代文明」のくだりは驚かされた。

・天廊はフロンティアのともまた別のものなんだろうけど、「オーバーテクノロジーで滅んだ古代文明」が「異世界(地球)と行き来する力を持っていて、それによってテクノロジーを手にしていた」というのはやばい。正史にここまで手を入れてくるとは。割と世界観の根幹に関わってくる点では!?

・天廊の番人をしていたゴアマガラ。彼が高いところにいたのは狂竜ウイルスをばら撒きたかったからかなぁ。

・最後、皆がそれぞれの武器を持ってゴアマガラと戦闘開始するとこでED突入というのはザ・B級映画って感じ。いや、その武器を使ってのモンスター戦が一番見たかったんですけどw

・昔、ハンターとそのオトモだった大団長と料理長が実際に武器を持って戦ってる姿が見れたのは嬉しかった。

・終盤の謎の新キャラ登場、ザ・B級映画って感じ。

・つまり、「実写バイオスタッフのB級モンハン映画」。ただスタッフ発表の時点でこういう内容になることは分かってたので良くも悪くも想像通りでした。ズレた内容ではあるけどこれはこれで楽しい。

・スタッフロール、日本語吹き替えキャストの部分でとってつけたように英雄の証が鳴ってるのめちゃくちゃ面白かったです。

 

【WHITE ALBUM2】スマホ雪菜の考察(雑談)

つい先日、小木曽雪菜ちゃん界隈(そんなものあるのか)に激震が走りました(たぶん)。

雪菜とかずさの、描き下ろしイラスト缶バッジを見てみたんですが。

まぁかずさは分かりますよ、忠犬だから犬の耳やしっぽが付いている。なんなら、作品の初期段階からそういうイラストはありましたからね。CCのソフマップ特典イラストの名前は「忠犬かずさ」だったし。

 

ですが…

雪菜に、犬の耳としっぽが付いている。

その雪菜は座り込んでいて、スマートフォン(iPhoneっぽい)の前で何やら瞳を輝かせている。

あ、いや、やば、やばやばじゃないですか。

過去に犬、というか猫?耳のコスプレは公式でもあった(『お疲れさま本』の藤本さとる氏のイラスト。他にもあったかもですが)んですけど、雪菜に犬のパーツが(コスプレではなく)標準装備として備わっている、これは事件ですよ。

なぜなら、今までコスプレやバニー姿で「動物っぽい」雪菜になった事例はいくつかあれど、ガチで「動物そのもの」となった雪菜は初めてだからです(たぶん)。

 

ああ、確かにかずさだけでなく雪菜も犬に例えられてましたね。丸戸さんに。彼曰く「負け犬」ですからね。しかし某フォロワーさんが言っていた通り、おそらくこの雪菜は「忠犬」と評するのが正しいのでしょう。

なぜならこれは、おそらくCCのモーニングコールのシーンを再現したものだからです。

あのシーンを簡単にまとめると、春希くんは雪菜にモーニングコールをかけて、それに雪菜が秒で応答する…という内容でした。

あまりにも雪菜の応答が早いので、春希くんからは“実は寝てないんじゃないか疑惑”がかけられていましたが、やっぱり携帯電話の前でワクワクしながら待ってたんですね、ずっと…(忠犬)

 

しかしここで重大な矛盾が生じます。CC当時、彼女が持っていたのはiPhoneっぽい白のスマホではなくピンクのガラケーだったはずです。

それどころか、WHITE ALBUM2という作品の公式展開において、ガラケー以外の携帯電話が登場したことはこれまで1度も無かったはずです(たぶん)。

 

いやマジでどういうことなんだこれ???(?????)

公式から特に言及が無いので、仮説を立てるしかありません。

 

仮説1.このイラストに携わったスタッフがWHITE ALBUM2の設定を忘れていた、もしくは知らなかった。

仮説2.実はこの瞬間のみ雪菜はスマホを所持していた。

仮説3.そもそもこのイラストはCCの再現をしたのではなく、本編よりも未来にスマホを手にした雪菜が、CCと似たようなことをする場面を描いたものである(未来の雪菜でCC雪菜のオマージュをしている)。

 

うんまぁ3ですね。

 

スマートフォンデビューおめでとう、雪菜❄🌸🎤📱

これにより、新しい雪菜解釈が次々と湧いてきます。

 

LINEを使う雪菜。たぶん短文をぽんぽん投げてきます(かわいい)。絵文字はメールで使ったのを見たことがないのでたぶんない。スタンプはワンチャン送ってくれる。

 

Instagramを使う雪菜。うーん、雪菜は使うかどうかよくわからないなぁ。

ただアレですよね、人気アナウンサー柳原朋さんは確実にやってますよ。で、雪菜とのツーショットを載せたらコメントが「隣の子めっちゃかわいいwww」で埋めつくされて嫉妬するやつですよね。

うーん、どうなるかな。

・朋ならそこまで計算してそもそも載せないかも

・逆に、雪菜人気が計算できるが故、フォロワー稼ぎのためやっぱり載せるかも

・そもそも雪菜はアップロード拒否りそう

・朋なら雪菜の意向無視して勝手にアップしそう

・さすがの朋もそこまではやらなそう

堂々巡りですね…インスタの件は保留。

 

写真を加工する雪菜…はいるんでしょうか。加工しなくても狂ったレベルで美人だし… でも雪菜は「普通の女の子」なのでそれくらいはしてもおかしくない。いやでもギャルゲーの正統派美少女だしな…うーん…

 

スマホゲームをやる雪菜。

春希くんはPS3アクアパッツァ廃人と化したこともありますが、雪菜はどうでしょうか。ディズニーツムツムあたりならやりそう。

 

結論:LINEは使いそう。他はわからん

 

そういえば、機種がiPhoneだった件は解釈一致です。日本のパリピ、というかあんまりスマホの機種にこだわりないタイプの人はだいたいiPhoneにしてるイメージ(偏見)なので。

実際めっちゃいいスマホですしね。

 

あと、スマホケース着けてるかどうかはちょっとあのイラストでは判断しかねますね(まぁ着けてないっぽい?)

雪菜ならそれこそピンクのケースとか着けててほしいけどなぁ。

 

そろそろ締めますか。

 

いや、最近の雪菜はツーサイドアップ解除したり、ピアス着けたり、スマホにしたりしてて、いいですね…

「地に足のついた現代劇」であるWHITE ALBUM2だからこそ、2次元ヒロインの綺麗さや可愛さは保ちつつ、リアリティある「現代の一般女性」として雪菜達を描いてくれるのはありがたい話。

 

友達いっぱいのロリロリ中学生雪菜。

ツーサイドアップ美少女のIC雪菜。

不安定さが妖艶さとなり、異性を狂わせるCC雪菜。

明るさを取り戻しつつ、大人の色気も兼ね備えたcoda雪菜。

ツーサイドアップを解除し、よりおしとやかになり、「美少女」から「美女」になったアラサー雪菜。

スマホデビューし、犬になったパジャマ雪菜。

 

雪菜っていいですね。無限ですね。魅力。

 

 

【モンハン】アイスボーンのミラボレアス

びっくりするくらい感情を突き動かされました。ベリオロスなどの時にも感じたことですが、「このモンスターと戦うというのはこういうことなんだ」と思い知らされる感覚があって。

例えばベリオロスの場合、スパイクや氷ブレスなどを巧みに用いてハンターに強いプレッシャーを常にかけてきて、戦闘が終始(良い意味で)息苦しかったのでした。

ワールドの表現力で描かれたそれは、プレイヤーたる僕自身に「自分は今、狩猟“されている”」と感じさせるに十分なもので。ベリオロスという存在が大自然の中でどう獲物を仕留めてきたのか、それをゲームプレイの中で味わわされている、と感じたのです。

 

では、ミラボレアスの場合はどうだったのか。それを語るにはまず、「これまでのミラボレアス」を語る必要があるでしょう。

正直、過去作におけるミラは「裏ボス。這いずりが強い。設定が凝っている」くらいのイメージしかない方も多かったのではないでしょうか。

「凝った設定」といえば、シュレイドを一夜で滅ぼしただとか、体の高熱でハンターの鎧などを溶かし取り込んでしまうだとか。それらは面白い設定でしたが、あくまでゲームプレイの中でそうした設定が再現されているとは感じ難いものでした。強いて言えば、荒廃したシュレイド城の風景があることでそう感じられたかも、くらいでしょうか(こうした手法を環境ストーリーテリングと言うそうです。3rdの渓流でアマツマガツチがやってきた過去を描いてる廃墟とかもそれ)。

 

しかし、アイスボーンのミラボレアスはなんというか、次元が違っていました。

なんだあのブレスは……

フィールド全面を埋め尽くし、強固な防護壁すら溶かし尽くし。あ、これは国滅ぼせますわ。

なんだあの拘束攻撃は……

ミラボレアスの胸あたりにハンターがズブズブ取り込まれていく、あ、溶ける、取り込まれる、やばい、ていうか設定再現じゃんこれやばい、

「これがミラボレアスか」と。「これが伝説か」と。

PS4だからこそ可能になった圧倒的な表現力に感動しっぱなし。

しかも、戦闘BGMでココット村(目覚め)やワールドメインテーマ(星に駆られて)やモンハンシリーズメインテーマ(英雄の証)までぶっ込んでくるもんだから。滾るとかそういう領域ですらない、これまでのモンハンと歩んで来た人生全てをぶつける気持ちで挑みました。そしてクリアしたとき、初代クリアBGMの「Triumph!」、アルバの前例から予想はできたけどやっぱり泣いちゃう。

 

シナリオも相当やばくて。

MH4ファンへのファンサービスは言わずもがな。陽気な推薦組の彼からすれば、筆頭リーダーと調査班リーダーの仲間想いな姿勢は重なって見えたのでしょうね。あと、我らの団ハンターとワールドハンターも。

個人的に一番響いたのはあれかな、カットシーンで船内部が映し出された瞬間かな。すぐに「あっ」ってなりました。

新大陸行きの船から始まった物語に重ね合わせるように、現大陸行きの船で再び「あんた、緊張してる?」と。泣いちゃうよこんなん。

2つのカットシーンで細かい違いが色々あるので探してみるのもいいかもしれません。

 

そして久々の総司令、良かったなぁ。「彼らを侮る事こそ 最大の過ち」みたいに言ってましたね。

アンイシュワルダ戦前の受付嬢の「私はずっと見てきました」を思い出しました。あのハンターと実際に共に歩んできてくれた人達の揺るぎない信頼が素敵で。

将軍も良いキャラでした。新大陸調査団とは縁があまりなかった外部の人間ゆえ、フラットに「撤退するべきだ」とか言える人材で。客観的には全く間違ったことを言っているわけではない彼がいてこそ、その逆を行く総司令の信頼の熱さがくっきりと浮かび上がってきます。

しかも、その総司令の発言を受けてすぐに戦闘を許可する方針に切り換えられるフレキシブルさ。彼は総司令の「ハンター達への信頼」を信頼して瞬時に託す判断ができたのです。これがいい上司か……。

他にも船の中で、現大陸の人達がスリンガーの説明を受けているシーンがあったりしたので、そうした「新大陸でも生きてきた人」と「現大陸でのみ生きてきた人」とのコントラストが面白かったです。

 

それから、受付嬢のセリフ。「黒龍が、あれだけの破壊力を持つ必要があった理由がわからない」みたいなことを言ってたと思うんですけど。

確かに、そこら辺のモンスターを蹴散らすだけならあれだけの攻撃力は必要ないですよね。

黒龍は「人類の敵」と言われていますが、もしかしたらあいつは本当に人類を滅ぼすことを目的にしているんでしょうか。それならあの攻撃力は合理的なんですよね。でも、竜人族ハンター曰く「人類を滅ぼすのは黒龍ではないのではないか」と。どうなんだろうなぁ。

今回はアルバ同様、「伝説、おとぎ話」の存在を正しく観測し、彼らを「現実」の座に叩き落とすことが目的でもありましたが、

それでもまだまだ不明な点が多い、得体の知れない、底の知れない奴だなぁ、と改めてミラの別格の存在感を感じるクエストでした。

 

こうしてワールドシリーズのストーリーはほぼ完結となりました。あとは歴戦王イヴェルカーナとの決戦を残すのみです。

ワールド、そしてアイスボーンはあまりにも「求めていたモンハン」すぎて、ひたすら感謝しかありませんでした。

総括するにはまだ少し早いですが、とにかくただただ、この作品に携わった皆さんに、ありがとうございました、と伝えたいです。

 

 

 

 

 

 

劇場版FateHF感想をすこしだけ

(3章までを含むネタバレがあります)

2014年のFateシリーズ関連プロジェクト発表会。ニコニコ生放送で見ていました。
その最後に出たPVの演出で「聖杯戦争が反転」し、
多くのマスターが「──まさか、」と予感したあの瞬間が忘れられないのですが、もうあれから6年ですか。はやいなぁ。
そして今終局を乗り越えて、春に至った多くのマスターの気持ちはどんなものでしょう。
僕にも色んな思い出がありますが、とりあえず作品の感想をここに残しておこうと思います。

作品の構成要素全てが狂気的な完成度でした。
ufotableらしい、アニメーションの歴史自体を更新していくかのような、極端にハイエンドな映像美、音響。
画面全体にまるで影が張り付いているかのような空気感、緊張感。
原作の意図を原作以上に掬い上げた、大胆な再解釈、再構築。
それらを全て丁寧に組み上げ、「ゲーム」ではなく「アニメーション」の力を精一杯使って、原典の再誕は達成されました。

ここまでなんらかの創作物に対して「完璧だ」と思えることはほとんど無いのですが、事実完璧だったので……なんだったんだあれ……。

もちろん、(いくら劇場版が3つもあるとはいえ)尺の限界はありますし、選択肢による分岐もない分、思い入れのあるシーンが短かったり、あるいはカットされていたりする部分もありました。
しかし、そうしたカットにも一つ一つに考え抜かれた意味がありました。
セリフが減っていたり、地の文がそもそもなかったとしても、キャラクターの表情や小道具、背景など、様々な「映像」の力で、きちんとヘブンズフィールという物語は伝わっていたと思います。

一つだけ欲を言わせてもらうなら、原作BGMからのアレンジはもうちょい欲しかったです。
ですが、梶浦さんの中で完結した、独自のグルーヴもまた美しいもので。
主題歌「花の唄」「I beg you」「春はゆく」の歌詞、メロディ、Aimerさんの歌声は、桜の心情を極めて精緻に描破しています。
これらの楽曲のアレンジもBGMに丁寧に編み込まれていましたが、僕の心を最も揺さぶったのは、UBWでのエンディング曲「believe」のアレンジでした(これも梶浦さん作)。

まず、2章で士郎&桜のコンビと凜&アーチャーのコンビがすれ違うシーン。
士郎は「万人を守る正義の味方」ではなく「桜だけの正義の味方」になり、UBWルートまでとは決定的に異なる道を歩むことになりますが、まさかのここで「believe」アレンジ。
タイトルは「what he has believed」。これまで信じてきたものとは違う道を歩むのです。
映像では、2組を隔てる道路の白線が、その決定的な分岐、決別を示唆しています。

そして3章。
いや、、、Nine Bullet Revolver(士郎vsバーサーカー)でまさかのまた「believe」アレンジ流すの正気か!!!??????!!!!!!
!!!!!!!
自分とは違う自分を、とても清々しい表情で送り出すあの男の姿が今も忘れられません。
そして想像の遥か上をゆく、待望の「エミヤ」アレンジ。
どんだけ畳み掛けてくんねん。

全章全シーンの感想書いてたらなんか本とか作れそうな勢いなので無理やり総括しますと。

この作品に向かい合う行為はもはや、「観賞」というより「戦闘」と呼んだ方が的確であり、見る者の体力と感情を根こそぎ奪っていきます。
そして劇場を後にしたとき、きっと心の奥底まで届いた、温かい何かが残っていることと思います。
とんでもないものを見てしまったなぁ、生きててよかったなぁ。


振り返ってみればこのプロジェクトは、スマホアプリでFateルート、TVアニメでUBW、劇場版でHFを描く、Fate/stay nightのリブートプロジェクトでした。
同時に、2006年のDEEN版TVアニメを含めれば、stay night全ルートのアニメ化の完了をも意味しています。
Fate/stay nightを描くこと」がいよいよ完遂されたというこの感覚。
ファンにとっての歴史はもちろん、
ヴィジュアルノベル史、アニメーション史、伝奇作品史にとってもひとつの大きな区切りでしょう。
スタッフのみなさん、一緒に作品を楽しんでくれたファン仲間の皆さん、色々お疲れ様でした。
そして何より、ありがとうございました。

【モンハン】アイスボーンのアルバトリオン

アクションゲームとしての完成度が高すぎる。

初見でもはっきりわかる予備動作、一見隙がないようにみえてよく観察すればしっかり存在するチャンスなど、モンスターハンターというアクションゲームの原始的な部分の仕上がりがスバ抜けてますね。

個人的には3Gくらいからアルバの調整ってかなりいやらしいものになっててあんまし好感抱けてなかったんですが今作は全然違いますね。改善されすぎてます。そもそもハンターの対空戦闘能力が今作で大幅に向上した恩恵も大きいでしょうが。

やっと撃ってくるようになった水属性攻撃、やっと全種生産可能になった武器とか、本来してみたかったアルバトリオン体験が3(tri-)から11年経ってついに実現した喜びもひとしお。

戦闘BGM「殷々たる煌鐘の音」の、3メインテーマ「生命ある者へ」からのフレーズ引用時間が伸びてるのも素敵。

あと難易度。エスカトンジャッジメントは慣れれば大丈夫だけど普通のモーションで割と皆バタバタ死んでいくのもアルバ様…って感じ。

ただし慣れればソロで0乙も行けますので極ベヒーモスみたいな極端なマルチ推奨ってわけでもないのがありがたい。

 

そして今回もまた会話が凝ってましたね。

アルバの文献(過去の編纂書)は全部焚書されてしまったというびっくり設定。僕らのリアル11年は無駄だったのか笑笑笑笑笑

焚書とか頭おかしいんじゃないかって思いますけど、それやっちゃった学者達も、禁忌モンスターに対する怖れと畏れがあったんでしょうね。

アルバやミラは名を出すことすら憚られる(ヴォルデモート卿みたいな)存在ですし、「災厄の神を調査するぜ!」って言ってる調査団の方が、傍から見ればよほど狂気的な振る舞いをしているように見えるのは事実でしょう。

そんな学者達の考えと対極を成すのがフィールドマスターの考え方。

「恐怖は未知から来るもの。新たな知識を得ることで、"知らない"によって生まれる不幸を減らせる」と。

圧倒的正論ですね、これはなんというか学問の存在意義そのものでもありますよね。さすが。

受付嬢の台詞も3期団団長の台詞もよかったなぁ…このゲーム褒めだしたらキリがないな。

 

 

あと最後に言いたい、

「成功!!!」が流れるなんて聞いてないよ…(涙)アルバ初登場作品、3のクエストクリアBGM。個人的に一番思い入れが強い作品なので感動。クリア以来なんかずーーーっと3のサントラ聞いてます。

歴戦王ネルギガンテもそうだけど、ワールドシリーズはクリアBGMにサプライズを仕込むのが上手すぎる…ロックラック行きたい…行けないけど…