【WHITE ALBUM2 雪菜×春希 SS】その春は、どんな冬にも

※あんまり細かく考えず読んでください。

雪菜(True)ルート後2020年想定。外出自粛中二人はどうしてるかな、みたいな。

 

 

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「最近何かとストレスたまるよな~雪菜~」
「……」
雪菜から返事がない。

今やすっかり“親”となった俺達にとって、昔みたく名前で呼び合うことは“数少ない二人の時間”の合図なんだけど…。

 

「…あ~~~!」
「どうした、雪菜?」
「カラオケに行けない~‼」
「…あ~」
なるほど、カラオケに行けないことを悩んでたのか。
「あ~、じゃないよ~!?せっかくのお休みで、久々に二人っきりなのに。わたしにとっては死活問題なんだよ?これ。まだお昼なのに何にもできないなんて~」
そう、死活問題。雪菜にとっては間違いなく。

 

「俺としては、お互い家で過ごす時間が増えたってのは願ったり叶ったりなんだけど」
「うん。仕事でお互いそこそこ責任ある立場になって、あの子もすくすく大きくなって、忙しくって。“夫婦としては“、長らくご無沙汰だもんね…あ」
雪菜の顔がぱぁっと明るくなる。
こんな日々の中でも、今でもこうして太陽みたいな“女の子”の顔をのぞかせてくれる。

 

「見つけちゃった。カラオケ以外の、お家でできるストレス発散法」
「もしかして、ええと…昼間にするのが憚られる?」
そして、俺の出した恥ずかしい解答は…。
「ご名答~!やっぱり春希くんって、わたしが思ってるより、ずっとえっちだよね?」
お互いの見解が奇跡的に一致するという、ハッピーエンドに帰結して。
「お互い様な」
どこからでも幸せな場所に辿り着ける、彼女の力を改めて思い知らされた。
そういうところに、俺は今まで何度も救われてきて。
きっとこれからも、何度も救われていくんだと思う。

 

「それじゃあ今から、しよっか?」

 

………
……

 

「雪菜、す、すごかった…」
「うん、久しぶりで。すごくたまってたね。お互い…ね」
「“雪菜・春希くん”って呼び合うのも、少なくなったよな」
「昔を思い出すよね~」
「あんまり昔って言うな。すっかりおじさんおばさんみたいだ」
「それはまぁ悔しながら、ある程度事実だし?」
「なかなかそうは見えないけどな。今でも“学園のアイドル”だった頃から変わらない。いや、もっとかわいくなってる」
「春希くんだって、まだまだ若々しいよ。仕事大好きだと老けにくいとかあるのかな」
「俺よりも仕事大好きな上司がいるけど、あの人も確かに変わらないんだよ、見た目…」

 

(おしまい)